コピーライティングには、文章的な修辞技巧などよりも、遥かに重要な要素があります。

それは心理学です。

コピーライティングの目的は何だったでしょうか?

それは、

「興味を持たせること」
「信用させること」
「行動させること」

の3つを順にクリアしていくことでした。

つまり、人の心を動かして、
こちらの望むように動いてもらうことです。

そのために必要なことは、
美しく、技巧的な文章表現ではありません。

人の心を揺さぶる言葉です。

そのような言葉を自在につむぎ出すためには、

「人が言葉によって感情を揺さぶられるしくみ」

というものを熟知しておかなければなりません。

つまり、心理学です。

実際、コピーライティングの技法には、
この心理学に基づくものが非常に多いです。

と言うより、コピーライティングは心理学そのものと言ってもいいくらいかもしれません。

宇崎さんの師匠(年収5億円のコピーライター氏)はこう言っています。

「コピーライティングとは、読み手の気持ちを真剣に考えて文章を書くことだ」

どれほど読み手の気持ちを真剣に考えてきたか、それがコピーライティングの上達を決める、ということです。

つまり、「どれだけ人間の心理というものを理解しているか」でコピーライターとしてのレベルが決まる、ということです。

「心理学」と言うと、何だか学問的で、とても難しく聞こえてしまうかもしれません。

しかし、学問的な意味での「心理学」を知らなくても、私たちは人として「当たり前の感情の法則」というものを、人生経験から、何となく理解しています。

たとえば、あなたが通りを歩いているときに、道端でうずくまっている人がいたとします。

もし周りに他に誰もいなければ、あなたは見過ごすことなく、声を掛けることでしょう。

しかし、それが例えば、渋谷のハチ公前のような、ものすごい雑踏の中だったらどうでしょうか。

こんなに大勢の人たちが行き来しているのに、誰もその人にかまうことなく、足早に通り過ぎていく。

そんなときも、あなたは雑踏の中で立ち止まり、その人に声をかけるでしょうか。

それとも、気にならなくはないけれど、周りの大勢の人たちと同様に、結局は何となくやりすごしてしまうでしょうか。

こういうとき、人はどのような行動を実際に取るのか、そして、なぜそのような行動を取るのか。

こんな疑問や、他にも、

努力目標は、秘密にしておくよりも、
公言した方が達成されやすいのはなぜか。

なぜある種の女性は、
ダメな男といつまでも別れられないのか。

といった疑問にも、心理学は答えてくれます。

そんな心理学から導き出される結論は、
なかなか恐ろしいものです。

人はある特定の状況下では、
自動的に同じような反応を示す

というものです。

その「人」がどんな性格なのか、どんな人生を歩んできたか、男か女か、子供か大人か。

そんな個性の違いは、ほとんど関係ありません。

その人の個性にかかわらず、
ある特定の状況に置かれたとき、
誰もが同じような行動を取ってしまう。

そんなことが、実験的にも証明されてしまっているのです。

これは恐ろしいことですよね。

なぜなら、人に何かをしてもらいたいと思ったら、その状況に持っていけばいいわけですからね。

上下関係や支配・被支配関係がある場合に限りません。

赤の他人に対しても、使えてしまう。

つまり、コントロールできてしまうわけです。

悪い方へ使えば、詐欺をはたらくこともできるし、誰かを凶悪な犯罪に向かわせることもできる。

よい方へ使えば、利益をもたらすこともできるし、誰かに立派な行為を行わせることもできる。

心理学を使いこなせれば、
そのどちらともが可能になるわけです。

コピーライティングという技術は、文章の力によって、読み手の心理を、こちらの意図する方向へ導いていくものです。

言葉を変えると、

文章だけを用いて、読み手を『ある状況下』に置かれたときと、同じ心理状態へ持っていく

というものです。

だから、心理学と同じで、よい方へ導く(利益を与える)ことも、悪い方へ連れて行く(損害を与える)こともできます。

しかし、コピーライティングは、ビジネスであって、犯罪行為ではありません。

犯罪の本質は奪うことです。

しかし、ビジネスは違います。

ビジネスの本質は、与えることです。

相手に与え、自分に与えることです。

その本質を考えたとき、コピーライティングのスキルをどう使うべきなのかは、おのずと明らかなのではないでしょうか。

いずれにせよ、ビジネスを行うに当たって、コピーライティング、ひいては心理学は、非常に重要な知識・スキルであることに変わりはありません。

人の心を動かさずに、
その人に行動させるのは、奴隷制です。

人の心を動かした上で、
その人に行動させるのが、ビジネスです。

では、これから、心理学の法則の中でも、ビジネスに特に関係の深いものを、見ていきましょう。

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